出遅れているグリーン水素分野では先進国と10年の格差
海外が電気自動車に焦点を合わせている中、韓国は水素自動車に力を注ぎ水素経済での
「ファーストペンギン」を自認している。
いざ政府の水素戦略を見ると、先進国より10年以上遅れているという主張が出てきた。
国家長期計画では2030年時点でもグリーン水素は100%輸入であり、2050年でようやく
20%の国内生産を目標にしている。
国内の水素生産は当面の間、グレー水素やブルー水素が占めるということだ。
これに対して海外では、グリーン水素の生産能力を早期に高めるため奔走している。
韓国にグリーン水素の生産基盤が全く無い訳ではなく、それを適切に運用できていない
という指摘が出ている。
グリーン水素生産に不可欠なのは再生可能エネルギー(電力)だが、国内資産を有効に
管理できていないため無駄が生じているというのだ。
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グリーン水素とは、再生可能エネルギーを用いて水を電気分解して作られる水素。
水素製造過程でのCO2排出量はゼロです。
再生可能エネルギーではなく、原発を用いる場合はイエロー水素と呼ばれます。
ブルー水素というのは、石炭や天然ガスから水素を作る際に発生するCO2を可能な限り
回収しようというもの。
CO2を全量回収するのが理想ですが、最終的には技術やコストとの相談になります。
グレー水素というのは、石炭や天然ガスから水素を作る点はブルー水素と同じですが、
製造過程でのCO2回収は行わずそのまま大気中に排出。
ちなみに、得られる水素の10倍ものCO2が発生するようですよ。
2020年時点では全世界の水素生産量の内、実に95%がグレー水素なんだとか。
メタンから水素を得るターコイズ水素なんてのもあります。
CO2は出ないんですが、膨大な(再生可能エネルギーによる)電力が必要。
グリーン水素とブルー水素の中間的な存在なので、ターコイズ水素と呼ぶらしい。
触媒などを用いて、どれだけ効率的に水素を生成できるかが課題のようで。
日本EEZのメタンハイドレートが再び脚光を浴びる日が来る・・・・・のか?(笑)
そんな訳で、今や日米欧が水素の生成方法改善に向けて競い合っています。
・・・とは言うものの、大筋ではいかにしてCO2ゼロの電力を安定供給できるかが鍵。
原発によるイエロー水素という選択肢もありますが、中国とフランス以外ではもはや
主流となることは難しいでしょうね。
韓国ではSKグループが世界最大の水素生産企業になると意気込んでいますよ。
どの程度の技術を確保しているのかは謎ですが。
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